棗ちゃんはステキな恋がしたい
ハルおじさんが、スマホを車の窓から捨ててしまう。
「おじさんは……わたしをさらうつもりで車に乗せたんだね」
「いつ気づいた」
「坂田が他の連中に迎えを頼んだなんて、わたし話してないよ」
「そうだったか」
「それに坂田は、ただわたしに迎えを呼ぶように伝えてない。もし自分が遅くなるようなら呼べって言っただけ」
「ちっ」
おじさんが、急ブレーキをかける。
「俺は泳がされてたってわけか」