棗ちゃんはステキな恋がしたい
【着信:一斗】
「えぇっ……!?」
不意打ちの電話に、スマホを持つ手が震える。
ちなみにスマホは坂田が拾ってくれて、画面がちょっと割れたくらいで済んだ。
明日には新しいものに代えてもらう。
「……もしもし」
『寝てた?』
一斗の声、すきだなあ。
「ううん」
『病院行ったのか』
「うん」
『どうだった、あいつ』
「とりあえず2週間は無理しちゃいけないって」
『そうか』
「後遺症とかは大丈夫みたい」
『あんま気負うなよ。ナツメに責任は一切ねえんだ』
「なにか役に立てたらな、とは思う」
『んなこと言って。身の回りの世話とか名乗り出んなよ?』
「え、なんで」
『……約束したのか?』
「約束……というか。困ったことがあれば。なんでも言って……的な」
『バカかお前』