棗ちゃんはステキな恋がしたい
それじゃあパパもパパの親友さんも
最初から、無理にわたしとミツルさんをくっつけようとは思っていないということ?
「……そっか」
きっと坂田はそのこと知ってるよね。
さては知ってて黙ってたな。
「パパは充くんのこと気に入っているんだがな」
「めんどくさい人だよ」
「彼は棗を裏切ったりしないさ」
「……まあ。そうかも、だけど」
「顔も悪くないだろう?」
「え?」
そういえばミツルさんの素顔ってピンとこない。
いつも分厚いレンズの大きな丸い眼鏡をかけているし、前髪長めだし。
「女の子みたいに綺麗な顔をした美少年じゃないか」