棗ちゃんはステキな恋がしたい
わたしを見下していた西脇さんが、ビクッとカラダを震わせる。
「……っ、離して」
「わかった?」
「あんた、フツーじゃないよ!」
「え?」
「普段大人しい顔して。なんなの」
西脇さんの腕から手を離すと、西脇さんが校舎の影に姿を消した。
「そんな華奢なカラダで。迫力すげえのな」
「そうかな」
「さすがは――裏社会を近くで見てきただけある」
―――!
「な……」
「だろ?」
「……いつ。気づい……て」
「思い出したんだ」