棗ちゃんはステキな恋がしたい
昼休み終了5分前のチャイムが鳴り、席に戻る。
授業の準備をしていると教室に入ってきたのは、洲崎くんだった。
クラスメイトが洲崎くんの通り道をあけるように移動する。
となりの席に着いた洲崎くんが、こっちを見た。
……目が、合った。
「なあ」
「はいっ」
「甘い香りしねえか」
…………アマイカオリ?
「あっ。それ、きっと、クッキーのせい!」
大丈夫だろうか。
教室でお菓子を食べたことが先生にバレたら注意されるかも。
わたしのせいで、みんなが怒られたら嫌だな……。