棗ちゃんはステキな恋がしたい
なんだこの前代未聞なシチュエーションは。
意外と壁がないひとなの?
これがヤンキー流の友達のなり方?
ハッ……
盃を交わすごとく
友誼の明かしとして
お菓子の食べあいっこするの……!?
「はやくしろよ」
そうだね、はやくしなきゃ先生に見つかる。
「すごい。仮屋さん、洲崎くんと話してる」
「怖くないのかな」
洲崎くんって
このクラスの誰よりも、話しやすいかもしれない。
「じゃ、口あけて」
洲崎くんの、薄くてキレイな唇が開くと
舌にピアスしてるのが見えた。
カラダに穴あけるのが……好き……なの?
ガリッ
クッキーを半分だけかじられる。
「きなこ」
「苦手な味だった?」
返事はない。
「残ったのは……どうすれば」
「食えば」
やっぱり!
これで洲崎くんとわたしはトモダチに……!