棗ちゃんはステキな恋がしたい



――――迷った。



なぜか同じところをぐるぐるとまわってしまったり立入禁止の看板に出くわしたり見知らぬ先輩に引き止められたり。



その途中でハンカチを落として拾ってもらったことは、坂田にはナイショ。



迷子くらいなんだ。

何はともあれ教室の前にたどり着くことができた。


「……ふう」



深呼吸して、前の扉から中に入っていく。

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