棗ちゃんはステキな恋がしたい
――――ヨゴレタモノ
「守られてきたんだろ。大人に」
「そりゃあ……わたしは、子供で。これまでずっと、まわりに支えられてきた……けど」
だからといって、見てきたものすべてが美しいとは限らない。
目を背けたくなるような現実だって知ってるつもり。
「俺が怖くないんだな」
「怖く……ないよ?」
「俺と長時間目を合わせられる女。あんまいねーから」
「そうなの?」
「キスしたいときくらいじゃね。じっとこっち見つめてくんのは」
「きっ……」
キスって。あのキス?
唇と唇を……重ねる……!?