棗ちゃんはステキな恋がしたい
「お前。したことないだろ」
「な、ないよ」
「だろうな」
フッと口元を緩める、洲崎くん。
ふーん。
そんな風に笑うんだ。
って、今の笑いはよくないヤツ。
「ふ、フツウないよ……! わたしたち、まだ、中学生なのに」
「小学生でもしてんだろ。キスくらい」
「ほんとに!?」
「黙ってりゃ大人びてんのに。話すと年相応か――それ以下だな」
小学生みたいって言いたいの!?
「バカに……してる?」
「いや。おもしれぇなと思って」
やっぱりバカにされている気しかしないよ。