棗ちゃんはステキな恋がしたい
…………うん?
男子と女子は別のコースで、それぞれの担当の先生から授業を受けている。
「視線。感じないの?」
プールサイドで女の子に囲まれる。
えーっと。
顔は見たことがあっても名前までは知らない子が大半。
体育は二クラス合同なのだ。
「大人っぽいよね~」
「やっぱり年上のカレシいるから?」
???
「……いない、よ?」
「え、そうなの?」
どこからそんな話が。
「わたし。一度も誰かとお付き合いしたこと……ないの」
「ほんとに!?」
初恋も。……まだです。
どうしよう。
正直に打ち明けたけど、遅れてるって思われた?
「顔、赤くなってる」
「そっか。意外だなー」