棗ちゃんはステキな恋がしたい


「……うん。まだ、そういう人は」


盛り上がるようなネタを提供できなくて、ごめんなさい!


「なんだ。超ピュアじゃん、仮屋さん」

「かわいすぎるー!」



なんだかよくわからないけれど、盛り上がっている。



「現実の男子ってガキだもんね」

「好きな有名人とかいないの?」

「そういうのは……よく知らなくて」

「えーっ。あたしの推しはね~」

「あんた推しの話になると長いからなぁ」

「いいじゃん。ね、仮屋さん」



自然と話に混ぜてもらえている。

うれしい。


「あのウワサはデタラメか」


……ウワサ?


「だから言ったでしょ。あたしは仮屋さんは純情だと信じてたよ」

「あんたねぇ」

「なによ」

「調子いいんだから」


???


「え……っと。ウワサって?」


< 77 / 350 >

この作品をシェア

pagetop