棗ちゃんはステキな恋がしたい
「せっかく買った学校の水着、着ないの?」
「買ってねえよ」
ええっ!?
販売の案内、あったよね。
必ず用意するようにって。
わたしは坂田が名前ぬいつけてくれたんだよね、スクール水着と帽子とラッシュガードに。
それを買ってないとか最初から100%参加するつもりないってことだ!
着替えたりするの、めんどくさいのかな。
「サボっても……どのみち出なきゃいけないんだよ?」
「知らね」
先生言ってたもん。
授業を何回も休んだ人は、夏休み中に来なきゃいけないって。
「卒業できなくなったらどうするの?」
「それはない。義務教育なんだ。最低限出席だけしてれば、あとはどうにでもなる」
「そんな裏技が……!」