棗ちゃんはステキな恋がしたい


けっこう涼しい。


「電池で動くの?」

「USB差し込み口あるから充電式っぽいな」


坂田に頼んで買ってもらおう。

そしたらわたしだって一斗に貸してあげられる。


「小さいのに威力あって、便利だね」

「もっと強くできるぞ」


一斗がスイッチで風力を切り替える。


「スカートめくれちゃう」

「めくれろめくれろ」

「やだーっ!」

「どうせ色気ねえパンツはいてんだろ」



いろけ……?



「色気のないパンツってなに?」

「クソ真面目に聞き返すなよ」

「逆に色気のあるパンツがあるの?」

「さあ。ヒモとかじゃね」

「ヒモをどうやってはくの?」

「自分で調べろや」



考えたことなかった。

世間では中学生になったら下着も自分で選んだりするんだ、きっと。



「なにメモとってんだよ」

「ちょっとね」


坂田に頼んで見つけてもらおう。


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