販売員だって恋します
「んー?」
「迷惑……は?本気にならない、とか……。」
「今まではね。あなたに会うまでは。」

大藤の指が由佳の顔を辿って、身体を辿り、腕に行き着く。
するりと指先を取って、大藤はその指先にキスをした。

「いいんですか?」

え……?
「そんなことを言って。」

指先を軽く咥えながら、上目遣いで言うのはやめてほしい。

エ……エッチすぎるし!!

「ねえ、由佳、もう一度言ってくれませんか?聞きたいから。」
「迷惑……ですか?」

「そうじゃなくて、その前の。」
「本気にならない?」

「焦らしてるんですか?」
その前……。……気付いた瞬間、由佳は顔が沸騰しそうになる。

「え……と、好き……?」
「もう一つも。俺の、目を見て言って?」
< 112 / 267 >

この作品をシェア

pagetop