販売員だって恋します
「う……それは……」
「ん?」

「はい。泣いても、やめないで?」
「そんな可愛いことを言って。知りませんよ。」

ふわりと頬を染めて、そんなことを言う由佳の両頬を、両手で触れて仰のかせる。
ちゅ……と何度もキスをすると、由佳は大藤のTシャツをきゅっと掴んだ。

くすりと笑った大藤は、パジャマのボタンを外し、由佳のしっとりとした肌に触れる。

キスの合間に体に触れられて、由佳は息が上がっていた。

「あの……んっ……。」
「ん?なに?」

耳にキスしていた大藤が、なんですか?と耳元に息を吹きかけながら訊ねる。
それだけでも、由佳は身体がすくんでしまうくらいに、ぞくんとするのだ。

「泣くのは……イヤとかじゃないです。その、恥ずかしくても、久信さんやめてくれないし……。気持ちよすぎて、どうしたらいいか、分かんないんです。なのに、絶対やめてくれないから……。」

「やめるわけがないでしょう。」

こんなに綺麗で可愛くて、そして大藤に従順で……泣くほど気持ちいい、なんて告白してくれる彼女に。
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