販売員だって恋します
14.思わぬ登場
神崎靖幸は仕事を終えて自宅に戻り、リビングのソファに身体を預ける。
いずれ購入するのだから、と数年前に購入した、ひとり住まいには若干広めのマンションだ。
このままここに住んでも構わないし、需要がなければ貸せばいい、と思っていた物件である。
この広さがいいと思ってはいるけれど、ここに誰か居てくれたら、もっといいのにと思うこともある。
神崎が今、手掛けている旅館施設について、なかなかの決定打がなく、今日は兄に数日中に結果を出せと叱られた。
それも分かっている。
結果が出せない原因も。
自分が揺らいでいるからだ。
「はあ……。」
神崎は大きくため息をついた。
テーブルの上にパソコンを広げても、集中出来ない。
理由なんて、一つしかなくて。
楠田由佳のことだ。
子供の頃に一緒に遊んだおぼろげな記憶しかない中、由佳と話をしたり一緒に食事をしたり出かけたりする中で、どんどん惹かれていった。
いずれ購入するのだから、と数年前に購入した、ひとり住まいには若干広めのマンションだ。
このままここに住んでも構わないし、需要がなければ貸せばいい、と思っていた物件である。
この広さがいいと思ってはいるけれど、ここに誰か居てくれたら、もっといいのにと思うこともある。
神崎が今、手掛けている旅館施設について、なかなかの決定打がなく、今日は兄に数日中に結果を出せと叱られた。
それも分かっている。
結果が出せない原因も。
自分が揺らいでいるからだ。
「はあ……。」
神崎は大きくため息をついた。
テーブルの上にパソコンを広げても、集中出来ない。
理由なんて、一つしかなくて。
楠田由佳のことだ。
子供の頃に一緒に遊んだおぼろげな記憶しかない中、由佳と話をしたり一緒に食事をしたり出かけたりする中で、どんどん惹かれていった。