販売員だって恋します
「こちらの方が静かだし、ビーチにも歩いて行けるのでオススメなんです。」

その大藤の説明通り、そのコテージからはビーチに歩いて行けるような建て方をしてあった。

部屋の前は、緑の芝が綺麗に植えられており、隣との柵の代わりに花が植えられている。

その芝生をずっと歩いていくと、小道があって、その小道を歩いていけば、ホテル棟に到着するそうだ。

チャペルはそのホテル棟に併設されている、とのことだった。

小道を横断して、そのまままっすぐいけばビーチに出る。

荷物を置いてチャペルに集合、と大藤に言われていたので、由佳と末森はすぐにチャペルに向かう。

チャペルは屋外にあって、真っ白でシンプルな造りの東屋風《あずまやふう》の建物だった。

もうすでに明日の準備も進めてあり、柱などにはレースが巻かれている。
リボンとレースで、ラッピングされているチャペルはとても可愛らしく、その日を待っているように見えた。

「可愛いわ。」
「奏先輩のイメージぴったりですね。」
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