販売員だって恋します
しかし準備も終えて部屋に戻ると、末森はベッドに突っ伏してしまったのだった。

「末森マネージャー?」
「も、ダメ……。今日は早起きだし、乗り継ぎ便だし。」

「夜店、いいんですかー?」
先程聞いた夜店に夕ご飯を食べに行こう、と話していたからだ。

「んー、後でホテル棟のコンビニで、スパムおにぎり食べる。すっごく美味しそうだったから。」

「じゃあ、買ってきますよ。」
「ホントー?よろしくー。」

サンダルを履いてホテルのロビーに向かうと、シャツとパンツ姿の大藤がいる。

「お一人ですか?」
大藤はにこり、と由佳に笑顔を向けた。

「はい。」
「ご案内、しましょうか。」
「はい!」
デートだぁ!嬉しいっ!

「今日は成田家と元宮家は一緒にお食事だそうです。レストランの予約も済んでいますし、手配は万全なので、俺もフリーです。」
「嬉しい。」
< 222 / 267 >

この作品をシェア

pagetop