販売員だって恋します
「いえ。なんか……久信さん、すごいなぁって。知らないことがまだあったのねって、どきどきしちゃいました。すごく、素敵なんだもん。ズルい。」
「ふぅん、由佳はそんな風に思ったんですね。」
「ん?」
こんなところに連れてきて、と由佳が言う訳がないことは分かっていた。
けれど、知らない大藤の姿を知れた、と笑顔を見せるのは……
──ズルいのは、そっちなんですけどね。
ランチボックスのような発砲スチロールの容れ物に入っている野菜炒めをぱくん、と食べながら意外な美味しさに由佳は驚く。
「あら、美味しい。」
「そうなんです。ジャンクフードもありますけど、結構美味しいんですよ。」
大藤の手には山盛りのポテトだ。
「確かに、ジャンクフードですね。」
「それ、食べたいな。食べさせてくれます?」
ふと見た大藤の手がふさがっていて。
これって、食べさせてって……。
一瞬、躊躇《ためら》ったけれど、由佳は大藤の口に野菜炒めを入れた。
「ふぅん、由佳はそんな風に思ったんですね。」
「ん?」
こんなところに連れてきて、と由佳が言う訳がないことは分かっていた。
けれど、知らない大藤の姿を知れた、と笑顔を見せるのは……
──ズルいのは、そっちなんですけどね。
ランチボックスのような発砲スチロールの容れ物に入っている野菜炒めをぱくん、と食べながら意外な美味しさに由佳は驚く。
「あら、美味しい。」
「そうなんです。ジャンクフードもありますけど、結構美味しいんですよ。」
大藤の手には山盛りのポテトだ。
「確かに、ジャンクフードですね。」
「それ、食べたいな。食べさせてくれます?」
ふと見た大藤の手がふさがっていて。
これって、食べさせてって……。
一瞬、躊躇《ためら》ったけれど、由佳は大藤の口に野菜炒めを入れた。