販売員だって恋します
「ああ、本当だ。なかなかですね。ほら、ジャンクフードもあげますよ。」
「もう!それ、おいもに失礼です。」

ポテトを差し出された由佳は、それをぱくっと口に入れた。

2人で外ではしゃぎながら食べるご飯は、思ったよりも美味しく感じて、楽しい時間が過ぎてゆく。

「そろそろ、戻りましょうか。」
大藤に言われて、少し惜しいような気持ちになる由佳だった。

まるで、後ろ髪を引かれるようなその仕草に、大藤はポン、と由佳の頭に触れる。

「来たかったら、また来ましょう。」
「はい。」

これからも、ずっと一緒なのだから。

大藤の仕草や言葉や、こうしているいろんなことにそんな想いを感じて、由佳はとても幸せな気持ちになった。

そしてきゅっと、大藤に抱きつく。
「どうしました?」

その優しい声も好き。
「久信さん、好きですよ。」

大藤は由佳の肩に手を回す。
「俺も、好きですよ。」
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