販売員だって恋します
由佳が目を覚ました少し前に、目を覚まして、その寝顔を堪能していたから。

目を閉じて柔らかい光に包まれていた由佳は、本当に可愛らしかった。

朝の光の中で見ても、きめ細かくて白い肌は、指で辿りたくなるくらいだ。

とても綺麗なのに、なぜか自分は可愛くない、と思い込んでいて。

なぜでしょうね。

大胆なような、無防備なような、そのギャップや恥ずかしがる様子は、可愛くて仕方ないのに。

計算尽くで、大藤と関係を持とうとするような子よりよほどいい。

その時由佳が身じろぎしたので、大藤はそっと目を閉じたのだ。
由佳がどうするのか、知りたくて。

そっと起こさないようにベッドを出た彼女は、ささっと服を着て、そっと部屋を出て行った。
パタン、と玄関のドアの閉まった音を聞き、大藤はベッドに身体を起こす。
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