販売員だって恋します
取り置きをお願いしていた服を、取りに行くためだった。
新作のツルリとした感触の綺麗なラインのワンピース。綺麗な藤色は店頭で一目惚れしたものだ。
顔見知りの店員が由佳を見つけて笑顔になる。
「楠田さん!取りに来てくださったんですね」
「はい。出かける予定はないんですけど」
「楠田さん、スラリとしてておキレイだし、絶対似合うと思いますよっ」
お店の女の子は嬉しそうだ。
その気持ちは由佳にも分かる。
たまに『うわっ!これすごくこの人に似合う!』という人に出会ってしまうと販売員として、テンションが上がるのだ。
由佳は気分よく買い物を済ませ、服を受け取りそのまま5階の休憩室に行こうとしていた。
その時、階段を上がろうとしていたら、ストックと呼ばれる商品置き場の奥から声が聞こえ、つい振り返ってしまった。
「最低……っ!」
そこから出てきたのは、受付の制服の女性。
受付はデパートでは花形だ。
キレイにまとめた髪と、キレイなお化粧。
可愛らしい顔は今は、怒りで歪んでしまっているけれど。
彼女は由佳と目を合わさずに、足早に横を通り過ぎて行った。
それにしても、なにが……?
新作のツルリとした感触の綺麗なラインのワンピース。綺麗な藤色は店頭で一目惚れしたものだ。
顔見知りの店員が由佳を見つけて笑顔になる。
「楠田さん!取りに来てくださったんですね」
「はい。出かける予定はないんですけど」
「楠田さん、スラリとしてておキレイだし、絶対似合うと思いますよっ」
お店の女の子は嬉しそうだ。
その気持ちは由佳にも分かる。
たまに『うわっ!これすごくこの人に似合う!』という人に出会ってしまうと販売員として、テンションが上がるのだ。
由佳は気分よく買い物を済ませ、服を受け取りそのまま5階の休憩室に行こうとしていた。
その時、階段を上がろうとしていたら、ストックと呼ばれる商品置き場の奥から声が聞こえ、つい振り返ってしまった。
「最低……っ!」
そこから出てきたのは、受付の制服の女性。
受付はデパートでは花形だ。
キレイにまとめた髪と、キレイなお化粧。
可愛らしい顔は今は、怒りで歪んでしまっているけれど。
彼女は由佳と目を合わさずに、足早に横を通り過ぎて行った。
それにしても、なにが……?