販売員だって恋します
確かに白い柱や、綺麗な壁紙は写真映りが良さそうで、披露宴には映えるかもしれないけれど……入り口を見回して、由佳はそんな感想を抱く。

「オシャレ……ではありますね。」
「そうですね。」
多分、大藤も違和感を感じているのだろうと思い、同意する。

そんな由佳を見て、大藤はくすっと笑った。
「今日はあなたの感想も是非聞かせてください。」

「は……あ。」
いいのかな、本当のことを言って……。

先日と同様に大藤はやはり甘い雰囲気、というよりも業務的だ。

由佳はそっと口を開いた。
「見た目はいいですけど、造りは……ですね。お客様がお若い方なら喜ばれそうですけど。」
「同感です。」
それに対し、大藤も軽く頷く。

席に案内されるとコース料理が出てくる。大藤は先にメニューを頼んであったようだ。

綺麗なクロスのかかったテーブルに、可愛らしいカトラリーレスト。
テーブルの真ん中に、小さな花のアレンジメントとキャンドルが置いてある。

基本的に悪くはない。
お料理については、前菜から綺麗に盛り付けされていたし、見た目にも楽しめた。
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