販売員だって恋します
誤魔化しようもなく、この人が好きなのだ。
冷たくて、誰にも本気にはならないこの人を、好きになってしまった……。

最初から、目を奪われた。
その姿に。

スーツの着こなしも、歩く姿勢も、見た目も。
きりりと誰も寄せ付けない、その孤高の雰囲気に。

一緒にいればいるほど、惹かれてゆくのを止めることは出来なかった。

「あ……。」
大藤の指がするっと、由佳の身体のラインを撫でて、その感触に、ぞくんと身体が震えて、甘い声が漏れてしまう。

恥ずかし……っ……!

大人のように落ち着いて見せたいのに、自分の身体はあまりにも正直で、隠すことが出来ず、由佳は自分の口元を手で覆って声を抑える。

先日の大藤の寝室のベッドの上で、まだ服すら脱いでいない。

けれど、先程から受けているキスだけで、ぐずぐずに蕩けてしまいそうで、その上感じるところを探るように、服の上から大藤が身体をなぞったりするから。

「ん?由佳?声を出しなさい。でないと、どこがいいかわからないでしょう?」
言うなれば、どこもかしこも、だ。
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