販売員だって恋します
けれど、時に甘く時に傲慢に、時に冷静に響くその呼び方が由佳は嫌いではない。

「俺が由佳に気持ちいいことをしているんだから、隠すなんて許さないですよ。由佳は素直に声を上げればいい。」
「ふ……っ、んんっ……」

他人の表情を観察するのが上手い大藤は、由佳の良いところを見つけて、羽根のように柔らかく触ったかと思うと、触って欲しいところをするっと逃げたりする。

頭……おかしくなりそう。


「どうしました?息が……早い。」
楽しそうで、そのくせ冷静で。
由佳は息を乱して、
その冷たく整った顔をただ見つめ返す。
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