販売員だって恋します
とはいえ、後の面倒をさけることが最優先だと思った大藤は秘書室に戻ったらすぐ、役員のみが開けるデータを開け、その素性を確認した。
こういう作業は、もう染み付いたもののようだ。
──楠田、と言ったか。
苗字から、情報を検索する。
名前は楠田由佳。
勤め先はブレア、となっていた。
ブレア……どこかで聞いたような。
「あ……」
それで一気に思い出す。
雇い主である成田家の御曹司、成田翔馬のおそらくは交際相手である元宮奏だ。
彼女と一緒にいるところを、少し前に見かけたのである。
少し複雑な環境で育った成田翔馬は、確かにしっかりしていたし、優秀でもあった。
けれど、大藤から見たら、少し行き過ぎくらいの完璧主義なところがあり、それが高じてやや潔癖症気味な部分がある。
物は整っていないと、気分が悪いと言うし、部屋には無駄なものは何一つ置きたくなくて、配置も変えることが嫌いなのだ。
こういう作業は、もう染み付いたもののようだ。
──楠田、と言ったか。
苗字から、情報を検索する。
名前は楠田由佳。
勤め先はブレア、となっていた。
ブレア……どこかで聞いたような。
「あ……」
それで一気に思い出す。
雇い主である成田家の御曹司、成田翔馬のおそらくは交際相手である元宮奏だ。
彼女と一緒にいるところを、少し前に見かけたのである。
少し複雑な環境で育った成田翔馬は、確かにしっかりしていたし、優秀でもあった。
けれど、大藤から見たら、少し行き過ぎくらいの完璧主義なところがあり、それが高じてやや潔癖症気味な部分がある。
物は整っていないと、気分が悪いと言うし、部屋には無駄なものは何一つ置きたくなくて、配置も変えることが嫌いなのだ。