販売員だって恋します
「お料理、いかがですか?」
「とても素晴らしいです。特に鴨のローストが美味しかったです。」
「ああ、あれはうちの料理長が、ローストの仕方とソースに特に工夫をしているものだから。」
「他とは違う感じは、それでなんですね。」
「喜ぶと思いますよ。楠田さん、少しだけ弟をお借りしていいですか?」
「……??もちろんです。」
雅己はバックに靖幸を引きずりこむと、
「どういうことだ?」
と低い声を漏らす。
「どういうって……『くすだ』のお嬢さんですよ。」
「お付き合いしているってことか?」
「残念ながらまだですよ。僕はすぐにでも付き合いたいですけど。」
「なかなかだな……。」
兄の人を見る目は厳しい。
そのお眼鏡に叶うことなどほとんどないのだが、さすがゆーちゃん、と心の中で靖幸は得意に思う。
「でしょう?でなかったら、ここに連れてきませんよ。」
家族だけではなくて従業員まで、靖幸の連れている女性ならば一挙手一投足チェックされるのは、間違いのないところなのだから。
「とても素晴らしいです。特に鴨のローストが美味しかったです。」
「ああ、あれはうちの料理長が、ローストの仕方とソースに特に工夫をしているものだから。」
「他とは違う感じは、それでなんですね。」
「喜ぶと思いますよ。楠田さん、少しだけ弟をお借りしていいですか?」
「……??もちろんです。」
雅己はバックに靖幸を引きずりこむと、
「どういうことだ?」
と低い声を漏らす。
「どういうって……『くすだ』のお嬢さんですよ。」
「お付き合いしているってことか?」
「残念ながらまだですよ。僕はすぐにでも付き合いたいですけど。」
「なかなかだな……。」
兄の人を見る目は厳しい。
そのお眼鏡に叶うことなどほとんどないのだが、さすがゆーちゃん、と心の中で靖幸は得意に思う。
「でしょう?でなかったら、ここに連れてきませんよ。」
家族だけではなくて従業員まで、靖幸の連れている女性ならば一挙手一投足チェックされるのは、間違いのないところなのだから。