先生が好きです、好きでした◆おまけのお話追加しました◆
***
実習後、着替えて病院を出る。
「杉浦、一緒に帰ろう?」
須田くんが追いかけてきて私は立ち止まる。
「ん、いいよ」
二人ならんで、とぼとぼと歩き始めた。
「出産の立ち会いすごかったな」
「ん、感動した」
「俺は、男の俺でも立ち合いを許してくれたことに感動したね。今まで何度も断られてきたから」
「確かに。まあ、デリケートな問題だよね。あの奥さんは器が広いね」
看護学生である私たちが出産の立ち会いをするには当然妊婦さんの同意がいる。妊婦さんによって立ち会いを拒否する方や、男性だけは拒否する方などさまざまだ。
そんな中、梶先生の奥さんは男女関係なく学生すべての立ち会いを許可してくれた。看護を学ぶ私たちにとって、それはとてもありがたい話だ。
ふいに須田くんが遠慮がちに言う。
「なあ、もしかしてあの旦那さんと知り合い?」
「ん、うーん、……高校の時の恩師かな」
「ふーん、まー元気だせよ」
「元気だよ」
「嘘つけ。泣きそうな顔してる」
須田くんに梶先生のことを話したことはない。須田くん以外にも、看護学校に入ってから梶先生のことだけじゃなく好きな人がいるなんて話すらしたことがないのに。
実習後、着替えて病院を出る。
「杉浦、一緒に帰ろう?」
須田くんが追いかけてきて私は立ち止まる。
「ん、いいよ」
二人ならんで、とぼとぼと歩き始めた。
「出産の立ち会いすごかったな」
「ん、感動した」
「俺は、男の俺でも立ち合いを許してくれたことに感動したね。今まで何度も断られてきたから」
「確かに。まあ、デリケートな問題だよね。あの奥さんは器が広いね」
看護学生である私たちが出産の立ち会いをするには当然妊婦さんの同意がいる。妊婦さんによって立ち会いを拒否する方や、男性だけは拒否する方などさまざまだ。
そんな中、梶先生の奥さんは男女関係なく学生すべての立ち会いを許可してくれた。看護を学ぶ私たちにとって、それはとてもありがたい話だ。
ふいに須田くんが遠慮がちに言う。
「なあ、もしかしてあの旦那さんと知り合い?」
「ん、うーん、……高校の時の恩師かな」
「ふーん、まー元気だせよ」
「元気だよ」
「嘘つけ。泣きそうな顔してる」
須田くんに梶先生のことを話したことはない。須田くん以外にも、看護学校に入ってから梶先生のことだけじゃなく好きな人がいるなんて話すらしたことがないのに。