先生が好きです、好きでした◆おまけのお話追加しました◆
あっという間に期末テストになった。

私は一応塾にも通っている。自分の意思というよりは、受験前は行くものでしょ的なまわりと親の意見で、流されるように行っているだけだ。

私は受験よりも、梶先生とのデートをもぎ取るためという邪な考えで物理を重点的に猛勉強中だ。

自分でも単純だと思うけど、とにかく目指すは物理100点。100点を取って大好きな梶先生とデートをするんだ。

そんな意気込みで全力を出しきったテストだったけれど、実は100点の自信はない。ひっかかるところが二つほどあるのだ。

答案が返されるまでの間、祈るような思いで結果を待った。こんなにテストの結果を待ちわびたのは初めてかもしれない。

「それでは、先日のテストを返却します」

梶先生が一人ずつ名前を呼ぶ。
ドキドキと鼓動が早くなるのがわかった。

「杉浦さん」

「はい」

先生の前に立つと、先生はにこりと微笑んだ。

「よく頑張りましたね」

その言葉に期待してすぐに答案用紙を見たけれど、結果は94点だった。案の定ひっかかるところが減点されていて、予想通りといえばそれまでだ。

物理で94点なんて私にとっては快挙だ。過去最高点だし親にも自慢して見せられるほどの高得点。

だけどそれじゃダメなんだ。
100点取って梶先生とデートしたかったのに。

悔しくて涙が滲む。
事情を知っている友達の美結は笑いながら言う。

「真帆ったら、どれだけ梶先生のこと好きなのよ」

「私は本気だったんだよぅ」

本当に、本気だったんだから。
悔しい。

その他の教科は……とりあえず赤点は免れた。うん、よくやった、私。
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