真夜中の横断歩道にて、わたしは不良生徒に助けられた
「斎藤くん……」

 わたし自身、彼のことはあまり好きではなかった。

 興味もなかった。けれど……こう、寒い夜道の中、わたしを抱きしめて運んでくれた。

 その事実を想像するだけで顔が熱くなってしまう。
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