憧れの陛下との新婚初夜に、王弟がやってきた!?
「お前ねぇ、早々に怒らせてどうするんだよ」


侍女達に引き摺り出されたアルマを見送ると、椅子に深く腰掛けた兄、ユーリに盛大なため息をつかれる。

あれはあいつが悪い!

そう言おうと口を開きかけてやめた、これでは昔と何も変わらない。

本当はもっとスマートに、昔の俺とは違うという所を見せつけるつもりだったんだ。

「つい、売り言葉に買い言葉で」

項垂れながら、ユーリの隣のソファに腰掛ける。

「だろうね、、、まぁそれが君達らしくて私はいいと思うのだけどけどねぇ」

楽しそうに笑うユーリを睨め付ける。

国王陛下に対する態度ではないが、この人は気にしない。

むしろこんな砕けていられる相手はお互いしかいないのだ。


「迫力が増したな、あんまりその顔で彼女を怖がらせないようにな」

「分かっている」

「ただでさえ私達は彼女に無理を強いるのだからね」

「分かっているユーリ、、、気をつける」

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