憧れの陛下との新婚初夜に、王弟がやってきた!?
ジェイドの説明通り、翌朝の新聞には、新聞社からの謝罪文が、掲載された。
ジェイドの結婚についてはまだ準備段階で国王や議会でも承認が降りておらず、ジェイドが信頼関係のある記者と相談の上で、情報を渡していたものを、勝手な解釈と利益のために、利用してしまったこと。それによって取材相手であるジェイドをはじめ、王室からの信頼を裏切る事となり、政治的にも大きな混乱をきたした事を詫びるという文章であった。
王都で1番大きな大衆紙であるその新聞社には、王室、議会からも抗議がなされた。
そうしてジェイドの婚約の話は、然るべき段取りを踏んで、議会でも承認され、ジェイドが元々予定していた時期に各社新聞から一斉に発表がなされた。
本来ジェイドは、発表は全新聞社同時に行い、細かい秘話などは件の新聞社の記者に書かせるつもりだったらしいのだが、こんな事になってしまったため、全ての社に情報公開を行った。そのおかげが、様々な新聞社がジェイドとシェリン嬢の関係性や馴れ初めを報じて、戦場で互いに背中を預けあい、強固な絆で結ばれた夫婦として、世間からは歓迎的に受け入れられた。
貴族の社交界筋では、ずいぶん嘆かれている御令嬢もいると言うが、お相手がもともと令嬢人気の高いシェリン嬢と言うこともあり、受け入れられて行っているようだ。
結婚式は軍の仕事が落ち着く春の予定となった。


そうしてジェイドの婚約騒ぎが落ち着いて、少し経った頃、ユーリ様に大きな変化が起こった。というより、正確には起こしたのだ…。
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