友達作りは計画的に


彼女を乗せた電車が出発すると寂しさも出るが、この入学式の日というタイミングで過去に好きになった子と朝から二人きりで会えた事に何か良い予感を感じながら一人、電車に揺られていた



乗り換え駅である高畑台駅まで着くと、複数の路線が乗り入れる本線のターミナル駅という事もあり一気に人も増えてガヤガヤとしながらも多くの人々が早足で歩く足音が絶えず響いていた

そんな人波の中、少し心配していた乗り換えも無事に出来て高校の最寄り駅に着いた



『やっぱ一人だと寂しいから早くこっち方面の友達が出来ればいいな
しかしこの時間から行くと超浮かれて早く来たって思われても恥ずかしいしどこか暇潰しできる場所ないかな?』



駅からは数分で着いてしまうので周りのまだ開店前のお店などを見ながら少し遠回りをしていると一軒の喫茶店があったので入ってみた


格安モーニングを食べながら店内に積まれたマンガを手にとって読んで時間潰しをしていると同じ高校の先輩らしき女子グループが話ながら店内に入ってきた



『うおぉぉ……噂通り仲浦の先輩は超可愛い人ばっかりだ!』



岡崎の通う仲浦高校は私立だが学費も安く学力は平均辺りかやや低めにあり、女子の制服が可愛い事が人気で毎年可愛い女子が多く集まるのでこの地域ではダントツで一番女子レベルが高い高校と言われていた

それに加え校則も驚くほどゆるいので金髪や派手目なメイクの人も多くてかなりギャル率が高い高校でもあった



岡崎は中学時代は部活の県大会でも一応個人戦では優勝候補ではあったのだが、夏休み直前で祖母が亡くなったのでお葬式の為に最後の夏の大会には出れずに終わってしまった

そして夏休み前までは高校では全国大会に出れる私学の強豪校に特待生で入りたかっのたが、大会に出なかった事で気持ちが一旦切れてしまい全国大会を目指してバリバリやろうという気持ちもなくなっていたのだ

他校からは特待生や推薦の誘いもあったのだが名門校には行くつもりもなく、かと言って弱い学校は嫌だけど名門校はもっと嫌だから中堅クラスの高校を探していた


そんな時に県大会でベスト8には入るのだが決勝までは数年出れてなく、驚いた事に部活推薦で入っても週に4日練習に出ればいいと言われた今は古豪と言われてくすぶっている高校がこの仲浦高校だった

その練習の緩さと可愛い女子が多い二点が決め手となり、不純な動機だけで後はあまり考えもなくほぼ即決で決めたのだった



『練習もそこまでキツくないし週4で出ればいいから気楽だ
それよりもクラスにはどんな女子がいるんだろうな?
あぁ~っ 可愛い彼女出来ないかな?
マジでクラスの女子が気になる
超ドキドキしてきた』



部活で全国大会を狙う熱い気持ちもレギュラーを狙う気持ちも全くなく練習についていければいいや程度に考えていて、頭の中はまだ見ぬ女子や友達などとの高校生活を遊んで過ごす事でいっぱいになっていた



そんな事を考えながら喫茶店のマンガに集中も出来ずに読んでいると時間もかなり潰れ、気づけば店内も学生やサラリーマン、近所の人達で満席となっていてそろそろいい時間になってきた
仲浦高校の先輩達はまだ楽しそうにお喋りをしていが岡崎は初日なので少し不安もあり早めにお店を出て学校に向かった
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