気怠いお隣さんと恋始めます!
『失敗は誰にでもある。初めてのことなら尚更。失敗してナンボだよ、緒原!それをフォローするために俺たちがいるんだ。安心して突き進め!』

そう言って栄養ドリンクとなぜかチロルチョコをくれた部長。
それ以来私のここ一番の勝負の前はチロルチョコを食べてから挑むのが常になった。

今の私があるのは、部長のあの言葉のおかげだ。あの言葉を、私は一生忘れないーー



「朝礼始めるぞー!」

3人で感傷に浸っていると部長がやって来た。

「俺は今月いっぱいで異動になるが、新しい部長に業務のことやお前たちのことはしっかり引き継いで行くから、あと1ヶ月、宜しく頼むな!」

ああ、何かもう、すでに泣きそうだ…
蔭山部長を直視出来なくてちょっと俯いていると、じゃあ新部長、挨拶を、と促す影山部長の声。

第一印象は大事だ、俯いている場合ではない!と出掛かっていた涙を何とか引っ込めて顔を上げた。
…そして、私は自分の目を疑った。
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