気怠いお隣さんと恋始めます!
え…⁉︎や、ちょっと待って⁉︎本当に⁉︎
本当にあれとあれが、同一人物なの⁉︎

いるはずのない場所でいるはずのない人を見て、脳内は軽くパニックに陥った。

一瞬絡んだ視線はすぐに解けて、でも軽く横に顔を背けたイチさんは口元に手を当てて肩を小刻みに震わせている。


挨拶が済んだところで各々業務につくも、私はその場から一歩も動けないでいた。
イチさんも、蔭山部長と引き継ぎ業務に入ったらしい。

「…緒原?どうした?」

ずしっ。また頭に千葉先輩の重みを感じるも、背が縮むとか、ちょっともうそれどころじゃない。

「…千葉先輩、ちょっと私のほっぺ、つねってもらっていいですか」

「…え⁉︎何、急にどうしたの⁉︎」

「とにかく!お願いします!」

え〜?と言いながらも軽く摘んでくれる先輩。

「いや、もっと強くで!」

「え⁉︎いや、ほんとどうしたの⁉︎」

「先輩!」
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