気怠いお隣さんと恋始めます!
言われるままに助手席に乗り込みシートベルトを閉めると、静かなエンジン音を響かせて車が発車した。

チラリとイチさんの方を見やれば、対向車のヘッドライトに照らされては陰って、照らされては陰ってを繰り返す横顔がとても綺麗だった。


ーー発車して、どのくらい経っただろう。
たぶん5分も経っていないはずなのに。

…沈黙がツライ…

だってイチさん怒ってる…

昨日のこと?セフレのくせに逃げたから?
それとも、私に連絡がつかなかったから?
何で迎えに来たの?
この人は一体何を考えている?

あぁ、何か私も腹が立って来た。


「…イチさんて、何考えてるかさっぱり分かりませんね」

昨日のことといい今日のことといい、私の頭は完全にキャパオーバー。
おまけに今日はこの前の歓送迎会の時よりもアルコールが入っている。 
だから、もう抑えなんて効かなかった。
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