気怠いお隣さんと恋始めます!
「…俺だって小夏が俺と同じ気持ちじゃなかったらって思ったら、言えなかった。それこそ小夏結構酔ってたし、雰囲気に流されたんじゃないかって」

イチさんの横顔を見る。

私たちは同じだった。
同じ不安を抱えて素直になれなくて…

すると不意に私の方を向いたイチさんとバチッと視線が合う。 
真剣な眼差しだった。

「ただのお隣さんは嫌だけど、ただのお隣さんですらいられなくなるのはもっと嫌だった。それくらい、俺小夏のことすげー好き」

すげー好き。
イチさんが、私のことを…

今までの不安な気持ちが解けて、嬉しさがじんわりと沁みてきて涙が溢れた。

「…私の方がすげー好きだもん…」

そうして私はシートベルトを外して隣のイチさんに抱きついた。
< 79 / 97 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop