気怠いお隣さんと恋始めます!
「…朝飯にしよ」

「はいっ」


そうして今日も並べられた完璧な朝食。

「ホットサンドだー!」

今朝はホットサンドにサラダ。
私のマグカップにはお馴染みのココア、イチさんはブラックコーヒー。

それにしてもイチさんの家にはホットサンドメーカーまであるのか。
私より女子力高いんじゃないかな…

中身はハムとチーズで、とろけたチーズが最高だった。

「おいひぃ」

もぐもぐ食べながら感想を伝えると、

「小夏は食べさせ甲斐があるな」

とイチさんは頬杖を突いて私を優しい顔で眺めていた。

何だろう、何か恥ずかしいぞ、これ。

いつもなら食いながら喋るな、とか言いそうなものを…

「…イチさん、何か毒気が抜けましたね…?」

「…なんだそれは」

イチさんが眉根を寄せて怪訝な顔をする。
あ、何か懐かしい、この顔。
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