下恋
さすが、もとテニス部。相当体力があるようだ。
何分走ったか分からない。
「あっ、あの!」
俺は、ゆうりの叫びにも似たような声を耳にして意識を取り戻した。
「あっ、ごめん!俺、別にそーゆぅ訳じゃなくて!ゆうりが、嫌そうだったから・・・」
ゆうりは、キョトンとしたような顔で俺を見てきた。
ゆうりは、ゆっくりと口を開いた。
「・・・あの、何で名前?」
「あっ!俺、覚えてない?」
ゆうりは、俺の顔をじーっと見た。
ついには、考えるポーズのような動きをして唸りだした。
俺は、こんなゆうりを見て、可愛いなんて想ってしまう。
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