下恋


「ゆうりちゃん。」

「はい?」


俺は、意を決して喋りかけた。


「なんか、悲しいこととかあった?」

「・・・ぇ?」

「だって、泣きそうな顔してるよ?」


ゆうりは少し俯いてから話し出した。


「・・・あの、名前の知らない人に言うのもなんですけど。」

「あぁ、それ言われると。あと、敬語じゃなくていいから」

「はい。・・・私、大好きだった彼の家にこの前行ったんだぁ。
優しいし、そぅゆーことはしないと思って。
だけど、それがダメだったの。

部屋に入った途端、ベッドに押し・・っ、倒・・ぅ、されて…。スゴク、、ぅ、怖くて…。」


ゆうりは、泣きながらも話し続けた。


「分かったよ。もう、いいよ」


俺は、ゆうりの泣いている姿を見ていたくなくて、
とっさに抱きしめてしまった。



「…ありが、と」


俺はゆうりが泣き止むまで抱きしめていた。
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