涙の涸れる日
新たな人生
部屋に籠もって泣いてばかりいた紗耶が……。
「紗耶、顔色が良くなったわね」
「そうかな……。お祖母ちゃんのお陰なの。行って良かった。懐かしい場所にもたくさん行けたし」
「そう。流石お祖母ちゃんね」
「御茶碗も気に入ってくれたよ」
「良かった。まぁ、気に入ってくれる自信はあったけどね」
「さすが親子なんだね」
「紗耶と母さんも親子ですけど」
「そんな事、分かってる。ごめんね。いろいろ心配掛けて……」
「親が娘の心配をするのは仕事みたいなものよ」
「私ね。樹里たちに会ってこようと思ってるの。いつまでも隠しておけないし……」
「そうね。そういう気持ちになってくれたのは嬉しいかな」
「夜の飲み会になるかもしれないけど良いかな?」
「ちゃんとタクシーで帰っていらっしゃいね」
その夜、紗耶は樹里と里香、桜子にラインを入れて四人で会う約束をした。
学生時代よく行った居酒屋で。
明後日、きちんと話そう。
ちゃんと前を向いて生きていこう。
これから先の人生の方が、ずっと長いのだから……。
もう後ろを振り向かない。
悲しい涙は流さない。
「紗耶、顔色が良くなったわね」
「そうかな……。お祖母ちゃんのお陰なの。行って良かった。懐かしい場所にもたくさん行けたし」
「そう。流石お祖母ちゃんね」
「御茶碗も気に入ってくれたよ」
「良かった。まぁ、気に入ってくれる自信はあったけどね」
「さすが親子なんだね」
「紗耶と母さんも親子ですけど」
「そんな事、分かってる。ごめんね。いろいろ心配掛けて……」
「親が娘の心配をするのは仕事みたいなものよ」
「私ね。樹里たちに会ってこようと思ってるの。いつまでも隠しておけないし……」
「そうね。そういう気持ちになってくれたのは嬉しいかな」
「夜の飲み会になるかもしれないけど良いかな?」
「ちゃんとタクシーで帰っていらっしゃいね」
その夜、紗耶は樹里と里香、桜子にラインを入れて四人で会う約束をした。
学生時代よく行った居酒屋で。
明後日、きちんと話そう。
ちゃんと前を向いて生きていこう。
これから先の人生の方が、ずっと長いのだから……。
もう後ろを振り向かない。
悲しい涙は流さない。