涙の涸れる日
佑真
紗耶との出会い
紗耶との出会いは俺が大学三年の時。
新入生にめちゃめちゃ可愛い子がいるといつもつるんでる遊び仲間たちが騒いでる。
家の大学はけっこう可愛い子や美人が多い。そういう意味でレベルは高かった。
ふーん。そんな子が居るんだ? 位にしか思っていなかった。
何でも、ストレートのやわらかいブラウンのロングヘアがサラサラ揺れて天使のようだと。色白で目元はパッチリ、鼻もスッと通って、小さな少しポッテリした唇が堪らなく可愛いらしい。
話し声がまた魅力的で、どこに居ても聞き分けられる程に美声だとか。
そんな子が居るのか? と半信半疑だった。
でも俺は天使を見付けた。
午後の講義が始まったばかりの時間に、芝生の傍のベンチに一人で座っている天使を。
「君、一年の本多紗耶さん? 俺、三年の高梨佑真。噂には聞いてたけど傍で見ると本当に可愛いね」
ベンチの端に座る。
「何ですか?」
警戒心丸出しの顔を向けて言う。
「君と話したいと思って」
「どうしてですか?」
綺麗な声で聞いてくる。
「付き合ってる彼でもいるの?」
「そんな事聞いてどうするんですか?」
わずかに眉間に皺を寄せている。
でもそれすら可愛い。
「俺と付き合わない?」
「お断りします。私、次の講義があるので」
可愛い声でキッパリ断られる。
「終わるまで待ってるよ」
「あなたの周りにいつもいる綺麗なお姉様たちと帰られたらいかがですか?」
呆れているのか少しだけ笑顔を見せる。
「知ってるんだ」
「では、失礼します」
彼女は振り返りもせずに、さっさと歩き出した。
「ははっ! なんか新鮮だな。あんなに嫌悪感丸出しな新入生なんて今迄一人もいなかったのにな」
新入生にめちゃめちゃ可愛い子がいるといつもつるんでる遊び仲間たちが騒いでる。
家の大学はけっこう可愛い子や美人が多い。そういう意味でレベルは高かった。
ふーん。そんな子が居るんだ? 位にしか思っていなかった。
何でも、ストレートのやわらかいブラウンのロングヘアがサラサラ揺れて天使のようだと。色白で目元はパッチリ、鼻もスッと通って、小さな少しポッテリした唇が堪らなく可愛いらしい。
話し声がまた魅力的で、どこに居ても聞き分けられる程に美声だとか。
そんな子が居るのか? と半信半疑だった。
でも俺は天使を見付けた。
午後の講義が始まったばかりの時間に、芝生の傍のベンチに一人で座っている天使を。
「君、一年の本多紗耶さん? 俺、三年の高梨佑真。噂には聞いてたけど傍で見ると本当に可愛いね」
ベンチの端に座る。
「何ですか?」
警戒心丸出しの顔を向けて言う。
「君と話したいと思って」
「どうしてですか?」
綺麗な声で聞いてくる。
「付き合ってる彼でもいるの?」
「そんな事聞いてどうするんですか?」
わずかに眉間に皺を寄せている。
でもそれすら可愛い。
「俺と付き合わない?」
「お断りします。私、次の講義があるので」
可愛い声でキッパリ断られる。
「終わるまで待ってるよ」
「あなたの周りにいつもいる綺麗なお姉様たちと帰られたらいかがですか?」
呆れているのか少しだけ笑顔を見せる。
「知ってるんだ」
「では、失礼します」
彼女は振り返りもせずに、さっさと歩き出した。
「ははっ! なんか新鮮だな。あんなに嫌悪感丸出しな新入生なんて今迄一人もいなかったのにな」