涙の涸れる日
店を出て、紗耶は振り返る。
「こんな所に素敵なバーがあるなんて知らなかったな」
「表通りから少し入った場所にあるからね」
「お客さんも落ち着いた大人な人たちだったね」
「若いバーテンダー居ただろ? 世界的なコンクールで何度も優勝してる有名なバーテンダーなんだよ」
「えっ? 女の子にもてそうなイケメンの子が?」
「あぁ。あの店の経営者の父親も日本で屈指のバーテンダーなんだ」
「そうなの」
「通り沿いの店じゃないから、チャラい学生とかは来ない。店構えを見てもバーだとは思わないだろうしね」
「うん。だから良い雰囲気だったのね」
「また連れて来てやるよ」
「本当に?」
「紗耶は二杯目からはシンデレラだよ」
「見た目も綺麗なカクテルだけど……。アルコール入ってないのよ」
「紗耶はそれ位で丁度良いんだよ」
「また、お兄ちゃんと同じこと言う……」
「ハハッ。良いお兄さんだな」
「うん。お兄ちゃんが居なかったら、私、まだ部屋に閉じ籠もってたかもしれない」
「樹里から聞いたよ」
「そっか……」
「紗耶、明日は時間あるか?」
「特に何もないよ」
「ドライブでもしないか?」
「煌亮とドライブか……。学生の頃を思い出すよね」
「あの頃は五人で良く行ったな」
「煌亮、いつも運転手させられてたよね」
「ペーパードライバーの運転じゃあ、怖くて乗ってられないからな」
煌亮は笑ってた。
タクシーをひろって二人で乗る。
暫く走って紗耶の家に着いた。
「明日。九時で良いか?」
「うん。大丈夫」
「じゃあ、明日な」
「ありがとう。送ってくれて。おやすみなさい」
「おやすみ」
「こんな所に素敵なバーがあるなんて知らなかったな」
「表通りから少し入った場所にあるからね」
「お客さんも落ち着いた大人な人たちだったね」
「若いバーテンダー居ただろ? 世界的なコンクールで何度も優勝してる有名なバーテンダーなんだよ」
「えっ? 女の子にもてそうなイケメンの子が?」
「あぁ。あの店の経営者の父親も日本で屈指のバーテンダーなんだ」
「そうなの」
「通り沿いの店じゃないから、チャラい学生とかは来ない。店構えを見てもバーだとは思わないだろうしね」
「うん。だから良い雰囲気だったのね」
「また連れて来てやるよ」
「本当に?」
「紗耶は二杯目からはシンデレラだよ」
「見た目も綺麗なカクテルだけど……。アルコール入ってないのよ」
「紗耶はそれ位で丁度良いんだよ」
「また、お兄ちゃんと同じこと言う……」
「ハハッ。良いお兄さんだな」
「うん。お兄ちゃんが居なかったら、私、まだ部屋に閉じ籠もってたかもしれない」
「樹里から聞いたよ」
「そっか……」
「紗耶、明日は時間あるか?」
「特に何もないよ」
「ドライブでもしないか?」
「煌亮とドライブか……。学生の頃を思い出すよね」
「あの頃は五人で良く行ったな」
「煌亮、いつも運転手させられてたよね」
「ペーパードライバーの運転じゃあ、怖くて乗ってられないからな」
煌亮は笑ってた。
タクシーをひろって二人で乗る。
暫く走って紗耶の家に着いた。
「明日。九時で良いか?」
「うん。大丈夫」
「じゃあ、明日な」
「ありがとう。送ってくれて。おやすみなさい」
「おやすみ」