涙の涸れる日
 でも、その次に高梨先輩と会った時……。

「紗耶と将来を見据えたお付き合いをしていきたい」

「紗耶が好きだ。ずっと傍に居てくれないか?」

「大切にしたい。紗耶だけなんだ。こんな気持ちになったのは……」

 高梨先輩に告白された……。


 半年、友達として付き合ってきたけれど、一緒に居る事が嫌だとは一度も思わなかった。

 私が私らしく居られる心地良さも感じていた。

 高梨先輩を好きなのかな?
 恋愛経験値皆無の私には難しい問題だ……。

 『大切にしたい』
って言葉は私の心の中にスッと入って来た。

 今の先輩なら大丈夫かもしれない。

 私が好きになってもキチンと受け止めてくれる気がする。

 将来二人で一緒に居る絵が浮かんだ……。

 私は『はい』と答えていた。

「紗耶」

「佑真……」

「愛してる」

     

 それから三か月が経って……。

 私は佑真のキスにも応えられるようになっていた……。


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