涙の涸れる日
「紗耶、大切にするから……」

「うん……。私も佑真を愛してる……」

「ずっと一緒に居ような……」

「佑真の傍に居たい……」

「紗耶……」

 何度も何度もキスをして抱き締め合った。

「紗耶……紗耶の全てが欲しい……」

「うん……」


 紗耶を抱き上げてベッドにそっと下ろす……。
 紗耶の髪を撫でながら、唇、頬、瞼にキスを落とす……。耳の後ろ、首すじ、胸元にも唇を這わせる……。

 紗耶のワンピースに手を掛けて、そっと脱がせる……。
 可愛いブラの上から、胸にキスをする……。

 紗耶の細いウエストの下に腕を回して、片手でホックを外す……。

 綺麗な胸が露わになる……。

「紗耶、キレイだ……」

 白い肌は透き通るように綺麗で……。
胸の真ん中にキスを落とす……。
柔らかな膨らみを下から掬い上げて先端にもキスをする……。

「ん……」

 紗耶の声が可愛くて……。
もう理性など消えていく……。

 可愛いお揃いの最後の一枚も取ると
紗耶は恥ずかしそうに目を閉じている……。

 キメの細かい肌は滑らかで……。
ウエストからお腹にもキスを落としていく……。
 綺麗な脚を撫でて紗耶の秘密にもキスを落とす……。

「あっ……」

 舌で滑らかな肌を味わう……。

「恥ずかしい……」

「紗耶、すごく綺麗だ……」

 そして……。
紗耶と一つになる……。
少しずつ進めて行く……。

「い……痛い……」

 紗耶があまりの痛みに涙を零す……。
その涙にキスをして……。

 シーツを握り締める紗耶の手に指を絡める……。

「紗耶……力、抜いて……」

「無理よ……。……ん……」

 時間をかけて紗耶と一つになった……。

 愛しい紗耶のオデコにキスを落として、唇にキスをする。

「紗耶、ごめんな。辛いよな……」

「佑真……。佑真が好きだから……」

 紗耶の泣き顔を一生忘れない。

「紗耶、愛してる」

 幸せだった……。
 こんなに幸せで良いんだろうかと……。

 俺の胸に凭れる紗耶の柔らかい体温を感じる。このままずっと抱きしめていたい。

 紗耶を泣かせてしまった罪悪感も感じていた。女の子は初めての時、こんな辛い思いをする事を初めて経験した。

「紗耶。体、大丈夫か?」

「うん。こんなに痛いとは思わなかった……。でも大丈夫。私、幸せだよ」

「紗耶、愛してる。絶対に離さない」

「私も愛してる。あっ、ねえ。佑真の誕生日も、もうすぐよね。プレゼント何が良い?」

「何も要らない。紗耶をもらったから」

「でも……」

「紗耶を紗耶の人生ごともらったから……。こんな最高のプレゼント他にないよ」
 
 唇にそっと触れるだけのキスをした。

 素肌で触れ合える事が、こんなにも幸せだと思った事は今まで一度もなかった。

 紗耶の最初で最後の男になれた事に感動すら覚えた。


 紗耶は、固い桜の蕾が少しずつほころび、柔らかい花びらを広げ香り高く咲き誇るように美しい女になっていった……。


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