涙の涸れる日

オランダ新婚旅行

 成田からアムステルダムのスキポール空港へ直行便が出ている。
 所要時間は、11時間35分。日本との時差は8時間。


 この11時間あまりをゆったり過ごした。
 前日、充分体力を使った二人は良く眠る事も出来た。


 アムステルダムに到着した。

 二人はアムステルダム国立美術館のヨハネス・フェルメールの絵画を楽しみにしていた。
 【牛乳を注ぐ女】【小路】など鑑賞した。

 紗耶はここアムステルダムで観られた事に感動していた。


 水の都アムステルダムの素敵な街並を運河クルーズで一時間楽しんだ。

 アンネの日記のアンネ・フランクが二年の月日を過ごした家も訪ねた。
 アウシュビッツ強制収容所の殺戮を思い涙が零れた。



 キンデルダイクの運河沿いに並ぶ風車群を遊覧ボートから眺めた風景は素晴らしい物だった。


 ハーグにあるマウリッツハイス美術館で、【デルフト眺望】【真珠の耳飾りの少女】に再会し心が震えた。

 フェルメールが生涯を過ごしたデルフトも訪ね、白地にコバルトブルーの柄が美しいデルフト焼きも記念に購入した。


 生涯忘れる事の出来ない素晴らしい思い出を佑真と過ごした時間を心に深く刻んだ旅だった。


「佑真。ありがとう」

「来て良かったな」

「本当にそう思う。佑真のお陰だよ」

「フェルメールは紗耶が教えてくれたんだよ」

「こんな素晴らしい旅行になるなんて……」

「紗耶と一緒だからだよ」

「佑真が居てくれたからだよ」

「生涯忘れない」

「私も忘れられない」


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