涙の涸れる日
 三人と別れてマンションに帰る。
 六時には帰宅出来た。

 あぁ、久しぶりに四人で食事して、お喋りして、買い物して楽しかった。
 
 着替えて夕食の支度を始める。
 今夜はパスタにしよう。

 丁度出来上がった頃に、佑真が帰って来た。

「おかえりなさい。きょうは早かったね」

「ただいま。きょうどうだった?」

「お土産も喜んでくれたし、ビストロで食事したの。美味しかったよ」

「紗耶たちの行きつけ?」

「ううん。樹里が教えてくれたお店。ランチがお値打ちで凄く美味しかったの」

「へぇ。今度、一緒に行こうか?」

「本当に?」

「うん。俺も食べたいな。ランチじゃなくてディナーで行ってワインも飲もうか?」

「ありがとう。佑真。嬉しい」

「楽しみだな。着替えて来るよ」

 今夜はペペロンチーノにしてみた。
 
「うん。美味いよ」

「本当に?」

「嘘は言わないよ。もう少しニンニク多くても良いかな?」

「えっ? 良いの? 営業だから明日迄ニンニク臭ったら駄目かなと思って……」

「気遣ってくれてありがとう。でももう少し位なら大丈夫だよ」

「分かった。ありがとう。ちゃんと言ってくれて嬉しい」

「紗耶は本当に良い奥さんだよ」

「明日は何を作ろうかな。料理が楽しみになってきたかも」

「俺の方が楽しみになって来たよ」

 佑真は優しいと思う。
 気分が悪くなる様な言い方もしないし。
 こんなふうに言われたら愛されてるなって実感出来る。


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