涙の涸れる日

理想の旦那様

 七月に入った。毎日雨が続いて乾燥機が大活躍中だ。

 佑真の帰宅時間も大体つかめて来た。
 早い時は八時頃。普通は九時。遅い時は十一時を過ぎる。

 九時を過ぎる時は前もってラインをくれる。

 土日の出勤も取引先の都合で偶にある。

 そういう時は、樹里たちと食事したり、実家に行ったりさせてもらう。

 その事に佑真は文句ひとつ言わない。
 楽しんでおいで、お父さん達に宜しく言ってと笑顔で送り出してくれる。

 理想の旦那様だななんて思う。
 幸せなんだなって……。

 普通に土日休みの時は土曜日は二人で朝をゆったりと過ごしてベッドから出してもらえない……。

 かえって疲れないのかなと密かに心配しているのは佑真には言わない。
 私だって佑真と二人だけの時間を心待ちにしているから……。


 そして日曜日は、彼が仕事で忙しくて疲れている時は部屋で過ごすけれど、そうでなければ二人で出掛けたりもする。

 ショッピングモールに出掛けて、お洒落なインテリアグッズやキッチンツールを二人で選んで購入する。

 佑真はセンスも良いと思う。

 私が、こういうのが欲しかったと思う物を見付けてくれるから。

 マンションに素敵なグッズが増えて、佑真が仕事で居なくても素敵な空間に居られる幸せも感じる。


 どこまで佑真が好きなんだろうと少し恥ずかしい……。
 でも幸せだ。


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