涙の涸れる日
 着物を着ようかとも思ったけれど、実家に置いたままだし……。

 佑真の実家まで車で行く訳だから時間的にも辛いかな? なんて考えていたら……。

「どうした?」

「着物の方が良いかな?」

「えっ? あぁ、家に行く日?」

「うん」

「紗耶の着物姿も見たいけど時間が掛かるのに着物は辛くないか?」

「そうなのよね。着物は実家だし」

「なら無理して着る必要ないだろう」

「うん。じゃあ洋服にする。良い?」

「紗耶は紗耶だ。何を着てても……。着てなくてもな?」

「えっ? もう佑真……」



 そして元旦。
 高梨家でお母さんのおせち料理を頂いて、お喋りして、お母さんにおせちの作り方を教えてもらったり、楽しい時間を過ごさせてもらった。

 北海道のお兄さんは、お正月も帰れないらしい。

「翔真は滅多に帰省はしないのよ。親不孝な息子なんだから……」
「仕事が忙しいらしいぞ。動物とはいえ大切な命だからな」



「ありがとうございました」

「また来てね」

「運転、気を付けろよ」

「うん。また来るよ」




 二日には本多家に。
母のおせち料理や洋風のおせち、ローストビーフやカルパッチョも……。
 
 兄は大学時代の友人とハワイに行ってるそうで会えなかったけど……。


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