脆姫は過去に生きる
「聞いてほしいことがあるの」

私は体を起こして、鉄平を見つめた。

大きな鉄平の手を握り、まっすぐに鉄平を見る。


違う・・・


鉄王を見る・・・


「私は”咲”じゃない」
私の言葉に鉄王は目を丸くしてから、ふっと笑った。

「何を言っている。」
冗談だと思ったのだろう。無理もない。
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